城南コベッツ初石教室

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2023.07.21

 714日、映画「君たちはどう生きるか」が封切りとなりました。世界中にファンがいる巨匠、宮崎駿監督の、10年ぶりとなる長編アニメーション映画です。

 今日本でもっとも有名な映画監督である宮崎駿氏の10年ぶりの新作映画。さぞ多額の予算を掛けて大規模な宣伝、プロモーションが展開される......と思いきや、この映画は、「ほとんど宣伝、告知を行わない」という、従来の宣伝方法を逆手に取った大胆な戦略をとりました。結果、初週の興行収入で、同じく宮崎駿監督による大ヒット作、「千と千尋の神隠し」を超えたと、メディアが報じています。

 そんな「君たちはどう生きるか」。筆者も観てきました。率直な感想を言うなら「凄く面白かった!」です。主人公の葛藤はすぐに感情移入できましたし、奇妙で不思議なこの世とずれた世界での冒険は大変ワクワクしました。スタジオジブリが今まで創り上げてきた気持ちの良いアニメーションシークエンスをふんだんに再利用していて、「あ、ここはラピュタのアレだ」とか「あ、ここはハウルのアレだ」なんて感想が浮かんできたりして、嬉しかったりもしました。少年の葛藤と成長、ヒロインの持つ大いなる母性――といった、ストーリーのテーマも、宮崎駿監督作品としては王道といえるもので、わかりやすかったです。

 ところが今作は、現在、観た人によって賛否両論が渦巻いています。筆者のように「面白かった」という人々がいる一方、「意味がわからなかった」「展開について行けなかった」という感想もネットでは多く見受けられます。実際、作品完成後の試写会では、「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」という宮﨑駿監督のコメントが読み上げられました。作った本人さえ訳がわからないという作品。観た人が「意味が分からなかった」と思うのも無理はないのです。

 筆者は、「意味が分からない」という気持ちも理解できます。実際、観終わっても、「なんでなんだろう?」と頭を捻るような演出、表現もたくさんありました。しかし、それでも胸を張って「面白かった」ということができます。それは、「意味が分かる必要なんて必ずしもないのだ」と感じたからです。

 「君たちはどう生きるか」で描かれるのは、この世とは異なる、幻想的な世界での冒険です。そう、本作品は「ファンタジー」なのです。実際、先程触れたように広告も打たず、プロモーションも展開しなかった本作では、公開前にはほとんど情報は流されていませんでした。ただ、作品のジャンルが「冒険活劇ファンタジー」であるということだけは明かされていました。

 ファンタジー。本来の意味は「(自由奔放な)想像、空想、幻想、気まぐれ、酔狂、空想の産物、奇抜な考え、空想文学作品、ファンタジー、白日夢(weblio和英辞典)」という英単語です。ところが、(あくまで私の考えでは)、TVゲーム「ドラゴンクエスト」そして「ファイナルファンタジー」が空前の大ヒットを飛ばしたあたりから、その意味合いが変わってきたと思っています。

すなわちドラクエ、FFのような、中世ヨーロッパ的な世界を有する、剣と魔法の世界。TVゲームや、アニメーションにおいて、「ファンタジー」といえば、この狭義のファンタジーのことを指すことがほとんどになりました。

 

 その狭義のファンタジーを想像して「君たちはどう生きるか」を観ると、あまりに奇抜で、意味不明で、さらにその意味不明な数々に対して、映画内に答えもヒントも存在しておらず、途方に暮れてしまう。ということもあったのではないかと思います。

 しかし、上記の辞書どおりの「ファンタジー」を想像して本作品を観ると、自由奔放で、酔狂で、奇抜な、想像の産物――まさにピッタリ言葉どおりのファンタジーであった、と感じるでしょう。

 近年の日本の他の「ファンタジー」なアニメ作品と比べると、「君たちはどう生きるか」は、意味不明な作品といえます。しかし、「不思議の国のアリス」など、本来の意味のファンタジー作品と比べると、「君たちはどう生きるか」は、それらに勝るとも劣らない奇抜で奔放な発想で創られたファンタジーである。といえると思います。どちらの「ファンタジー」と捉えて鑑賞に臨むか。考えてから映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。

2023.07.04

74日。この日が何の日か知っていますか?

日本では祝日でも何でもないので、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。

もし、「7(な)4(し)」だから梨の日では? と思われた方は、一応、その通りです。

ちなみに、現在梨の品種として有名な二十世紀梨は、明治のころ、松戸市に住むの松戸 覚之助さん(当時13歳)が親類のゴミ捨て場で見つけた苗を父子で育ててみたことが始まりだそうです。

そこから10年もの歳月をかけて、梨の栽培に成功。当時外務大臣や首相を歴任していた大隈重信も、この梨を食した際に「大変甘美で至極美味」と太鼓判を押したのだとか。

松戸覚之助親子は、その梨の苗木を、成功する農家に快く分けていきました。やがて、1900年代つまり二十世紀に入り、苗を譲り受けた農家のひとりが、新世紀を代表する品種となるように、と、この梨を「二十世紀梨」と呼ぶようになったんだとか。

閑話休題。

はい。7月4日は、日本ではなく、アメリカ合衆国の祝日。「独立記念日」です。

簡単な解説を行うと、1700年代、16世紀半ばころまでには、北米新大陸の、大英帝国の13の植民地は、イギリス本国にばかり有利で、植民地には不利であるような一方的な法律や課税に対して不満を抱くようになっていました。しかし、英国議会には植民地代表の椅子は1席も存在せず、指をくわえてみているしかありませんでした。

やがて、北米植民地は「No Taxation Without Representation(代表なくして課税なし)」のスローガンの元、イギリス本国と対立するようになります。

 1770年には、ボストンにおいて、植民地に住む市民集団の本国への抗議活動に対して、イギリス軍から発砲が行われ、5人の死者を含む死傷者が出てしまいます。

 また、同じくボストンで、3年後の1773年には、紅茶に関する植民地に不利な課税に憤った市民たちが、東インド会社の船に乗り込んで、積み荷の紅茶を港に投げ捨てる「ボストン茶会事件」が起こります。

 こういったことが引き金となって、1775年、イギリス本国と北米植民地は、戦争状態へと突入します。

そして、翌年の1776年7月4日、植民地の代表会議、大陸会議は2日前に作成された独立宣言を承認する議決を行い、ここに新独立国家、アメリカ合衆国が形成されたのです。

 だいぶ歴史の講義のようになってしまいましたが、アメリカでは現在でもこの7月4日を重要な記念日として、盛大に祝います。様々なイベントの他、軍隊のパレードや、花火大会が行われます。人々は祝日を楽しみ、合衆国国旗を振って、イベントに参加したりしています。試しに、SNSに# indipendence dayと入力して検索してみてください。花火の様子やイベントの様子を動画などで見ることができると思います。

現代の日本では、第二次世界大戦の際の全体主義の古傷から、国旗を振るほどの愛国心は眉を顰められることもあるかもしれません。一方で、星条旗の元、屈託なさげに独立記念日を謳歌するアメリカ国民の様子を、少し羨ましいかも、と感じた7月4日だったのでした。