城南コベッツ横浜六浦教室

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横浜六浦教室のメッセージ

和魂漢才と大和魂~源氏物語に思いをはせる

2023.12.25

「和魂漢才(=わこんかんさい)」とは、日本固有の精神「大和魂(=やまとだましい)」、
中国伝来の学問「漢才(=からざえ)」という対なる概念、または両者を合わせる意味です。
平安時代中期に成立した概念で、貴族層が学問の基礎を、「漢才(=からざえ)」に
置いたのに対し、実生活の行動や人柄を指して「大和魂(=やまとだましい)」と称しました。

平安時代中期には、漢字と仮名(かな)、中国風の絵(=唐絵)と日本風の絵(=大和絵)
などが厳重に区別されました。漢字は男文字、仮名は女文字、中国風の絵は男絵、
日本風の絵は女絵と呼ばれました。そのように男・女という区別がはっきりとなされ、
男性は中国風のもの、女性は日本風のものを意味するようになりました。
「才(=ざえ)」というものは、おもに漢学を指しています。

「大和魂(=やまとだましい)」は、「才(=ざえ)」「漢才(=からざえ)」との対比で
使われるようになり、日本古来から伝統的に伝わる固有の精神という意味に解されます。
「大和魂」の初出は、「源氏物語」第二十一帖「少女(=おとめ)」です。

原文:なほ、才をもととしてこそ、大和魂の世に用ゐらるる方も強うはべらめ。
さしあたりては、心もとなきやうにはべれども、つひの世の重鎮となるべき
心おきてを習ひなば、はべらずなりなむ後も、うしろやすかるべきによりなむ。
ただ今は、はかばかしからずながらも、かくて 育みはべらば、せまりたる大学の衆とて、
笑ひあなづる人もよもはべらじと思うたまふる。

現代語訳:やはり学問が第一でございます。やまとだましいをいかに活かせて使うかは
学問の根底があってできることと存じます。ただ今目前に六位しか持たないのを見まして、
心もとないように思われましても、将来世の重鎮となる要を学んでおけば、私が亡くなった後も、
安心できるというものです。今のところは、はかばかしくないと思われても、
このように育ててゆけば、貧しい大学の学生と笑い侮る者も、よもやいないでしょう。