城南コベッツ横浜六浦教室

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横浜六浦教室のメッセージ

高御座(たかみくら)の生首

2024.03.18

花山天皇が藤原兼家の策謀により退位され、わずか7歳の一条天皇
(円融上皇と兼家の娘・詮子(あきこ)との子)が即位されます(986年)
この即位により、藤原詮子は国母(こくも/こくぼ)となりました。

前の一条院の御即位の日、大極殿の御装束とて人々集まりたるに、高御座のうちに、
髪つきたるものの頭の、血うちつきたるを見つけたりける。

いと眠たげなる御気色にもてなさせ給ひて、ものも仰せられねば、もし聞こし召さぬにやとて、
また御気色たまはれど、うち眠らせ給ひて、なほ御いらへなし。
(『大鏡』「道長(雑々物語)」)

一条天皇の即位式の日、即位式の準備を進めていた担当官は、
高御座(たかみくら)に髪の付いた生首を発見しました。
高御座とは即位・朝賀などの朝廷儀式が催される際に大極殿の
中央に設けられた天皇の座のことです。
高御座は神聖な場所です。しかも、当時の人々は「死」を穢れと考え、
忌み嫌っていました。担当官は大変なことになったと、すぐに兼家の元に向かいます。
担当官は兼家の元に行くと、大きな声で生首の一件を報告しました。
しかし、兼家は眠たいのか、返事すらしません。担当官はおかしいと思いながらも、
しばらく立っていたが、やがて兼家は目を覚ましたかのように、即位式の準備が
終わったのかを尋ねられました。生首の一件に関しては、何も聞きませんでした。
兼家は生首の一件を知り、心中では驚いたと考えらますが、即位式を中止する考えは
ありませんでした。敢えてとぼけたふりをしたのです。
その後、生首が片づけられ、一条天皇の即位式は何事もなく挙行されました。
反兼家の何者か(花山院の関係者)が生首を高御座に置いたのでしょうが、
その目論見は失敗したのです。