川崎鋼管通教室のメッセージ
「地球温暖化研究の父」真鍋淑郎氏 ノーベル物理学賞 2021
2021.10.06
真鍋淑郎先生が2021年のノーベル物理学賞を受賞されました。
研究テーマ(公式タイトル)ですが
"for the physical modelling of Earth's climate, quantifying variability and reliability predicting global warming"
です。ご本人も述べられていますが、地球科学の分野で受賞されたことは驚きました。それだけ地球温暖化の研究が重要とされていることだと思います。
真鍋淑郎先生ですが、地球科学分野への数値シミュレーションの導入の先駆者です。1960年代のコンピュータで数値シミュレーションをやろうと思い立ったことは本当に驚きです。さらに、当時のコンピュータの性能を想像すると、どれほど気候モデルを単純化する必要があったかと考えるとやはり凄すぎます。その本質を捉え単純化したモデルが、大気1次元モデルで、大気を地上から上空までの1本の柱と考え、大気の対流や地表からの放射熱などの影響によって、高度ごとの気温がどうなるかを予測するモデルです。そして、現実の大気の状態を見事に再現して見せました。※下にモデル図(Manabe's climate model)のリンクを貼っておきます。
また、酸素や、窒素の量を変えても地表付近の温度はあまり変わらず、二酸化炭素の量を2倍にしたら地表付近の温度が約2.3℃上昇ことをシミュレーションから発見します。今では、二酸化炭素の量と温暖化は当たり前のように結びついていますが、かなり画期的なことです。
・中学生へ、
天気や、大気の動きに関しては、2年生の理科(地学)で勉強します。その際、簡単な大気のモデルも学びます。このノーベル賞受賞をきっかけに、丸暗記ではなく、気圧・温度などさまざまなことをしっかりと把握して、気象・大気の動きがなぜそうなるのかを学んでほしいと思います。
・高校生へ、
関連した英文を読んでおくことをお勧めします。気候モデルだけでなく、創薬など、複雑系をモデル化してコンピュータによるシミュレーションを通じて未知のもの・ことを発見するなどのテーマが英文で出題される機会が増えると思います。
Manabe's climate model:
https://www.nobelprize.org/uploads/2021/10/fig2_fy_en_21_ManabesClimateModel.pdf
プレスリリース:The Nobel Prize in Physics 2021
https://www.ecomagazine.com/news/ocean-community/the-nobel-prize-in-physics-2021-awarded-for-contributions-towards-climate-modelling
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